OSにiOSでもなくAndroidでもなくWindows 10 Mobileを搭載したVAIO Phoneの最新スマートフォンである「VAIO Phone Biz」を購入したので、早速その使い勝手についてのファーストインプレッションレビューを書いていきたいと思います。
尚、私がWindows 10 Mobileを搭載したスマホを使うのは、昨年末に購入したFREETELのKATANA01以来となります。
VAIO Phoneの反省を活かして開発されたVAIO Phone Biz
KATANA01はWindows 10 MobileというOSを搭載したスマホを体験してもらうために1万円弱という低価格を実現するためにスペックは二の次という感じの代物でした。
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それはそれで興味深い体験が出来たのですが、いかんせんKATANA01のハードウェアスペックは低いために、Windows 10 Mobile OSの操作においてレスポンスが気になるところはいくつかあった。
また、私は使ったことがないが、ソニーから独立したVAIO社が初めて出したスマートフォン「VAIO Phone」は、その発表時から各種メディアやユーザからその作り込み具合やデザインがVAIOというこれまでのブランドを失墜させかねない製品だと酷評されていました。
今回発売されたVAIO Phone Bizではその反省を活かしたのか、デザインからVAIO社が絡んで開発されたもの。
また、先代のVAIO PhoneはOSがAndroidで主なターゲットは個人であったが、VAIO Phone Bizは法人利用を見込んでかOSにWindows 10 Mobileを搭載している。
VAIO Phone Bizのスペック
VAIO Phone Bizの主なスペックについて見ていきます。
心臓部となるCPUはミドルクラスで最新となるクアルコムのSnapdragon617 オクタコア 1.5 GHz (クアッドコア) + 1.2 GHz (クアッドコア)を搭載しています。
メインメモリは3GBと余裕がありますが、ROMメモリは16GBと少ないです。
容量が足りないと感じる人は外付けとして最大64GBのmicroSDカードが挿せるので、必要に応じて挿します。
ディスプレイは大きめの5.5インチが搭載されていて、解像度はフルHDです。
対応している通信規格やバンドは、音声通話などで利用される3GがWCDMA対応 (バンド 1,6,8,11,19)で4G/LTEの対応バンドは1,3,8,19,21となっています。
LTE-Advanced受信可能です。
Wi-Fi/無線LANはIEEE 802.11acにも対応しているので、高速通信が可能です。
Windows 10 Mobileの目玉機能の1つであるContinuumにも対応(ワイヤレスのみ)しています。
カメラのスペックは背面カメラが1300万画素のCMOSセンサーでフロント部分は500万画素のCMOSセンサーとなっていてごくごく普通のスペックとなっています。
VAIO Phone Biz 開封の儀
さて、届いたVAIO Phone Bizを開封していきます。
化粧箱はこんな感じ↓ぱっと見は渋く高級感があります。
しかし開けてみると、なんとも安っぽい感じの化粧箱となっていました。
法人向けということで化粧箱や梱包コストを削ったのかもしれません。
本体を包んでいる袋には「SIMの設定後は一旦シャットダウンして再度電源を入れてください。」とご丁寧にかかれてます。
なんともWindows的なコメントです。。
付属品は充電用の電源アダプターにUSBケーブル、スタートアップガイド(マニュアル)、そして長野県安曇野工場で専任の技術者が1つ1つ品質チェックを行った証のカードが入っていました。
VAIO Phone Biz本体をチェック
VAIO Phone Bizの本体を見ていきます。
格安スマホと違って、アルミ合金削りだしボディでVAIO Phone Bizの筐体は形成されています。
上下にはアップルのiPadセルラーモデルのようにアンテナの感度向上のためか他の部分とは色彩が異なっています。
VAIOの文字は表記されているのではなく、彫刻のようにボディから削られた状態で表現されています。
金型がそのように作られているのでしょうね。
次にディスプレイ側を見ていきます。
5.5インチということでかなり大きな画面となっています。
Windows 10 mobileの初期設定
VAIO Phone Bizの電源を入れてWindows10 mobileの初期設定を行っていきます。
言語設定では日本語以外に英語、中国語が選択できるようになっていました。
企業で使ううえでも最低限これらの言語設定が求められるということでこうなっているのかもしれません。
Windows10 mobileの設定で気をつけたいのは個人情報などの送信です。
パソコンのWindows10でも話題になりましたが、Windows10 mobileも初期設定を変更しないで使うとMicrosoftに色々な情報が送信されます。
そのため、下記画面が表示されたところでは「カスタマイズ」をタップして、不要な情報がMicrosoftに送信されないようにするのをお勧めします。
「カスタマイズ」をタップすると下の画面が表示されます。
ここで個人的に不要と思った項目はチェックを外すようにしましょう。
SIMカードをセットしてAPN設定
VAIO Phone BizはSIMロックされていないSIMフリーのスマートフォンなので、NTTドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリア以外の格安SIMを挿して通信することが出来ます。
SIMカードを取り付けるためにSIMトレイを見てみると気になるところがありました。
下の画像を見て下さい。
VAIO Phone Biz本体とSIMカードをセットするSIMトレイに隙間というか段差があって凹んでいるような感じなんです。
格安製品ならまだしも、価格的にはハイエンドに部類されるVAIO Phone Bizでこの処理はいかがなものかと思います。
そしてこの凹んでいるSIMトレイにSIMピンを挿して取り出そうとするのですが、下の写真のようにあまり外に飛び出さないので爪で引っ張ろうにも引っ張りにくいんです。
SIMカードを出し入れするのは頻繁に行うことではないですが、1つ1つの製品を専任の技術者がチェックするとい安曇野FINISHのこだわりはなんだったのかと感じてしましました。
やっとこさ取り出したSIMトレイは下のようになっていて、デュアルSIMスタイルです。
nanoSIMとマイクロSIMで2枚のSIMカードをトレイに載せて使うことが出来ますが、日本で発売される他のデュアルSIMスマホ同様なんちゃってデュアルSIM仕様で片方しかLTEでの通信が出来ません。
そのためsimとmicroSDカードをトレイに載せて使うのが標準的な使い方になると思います。
SIMカードをSIMトレイに載せて本体に格納したら、次はプロファイル・APNの設定です。
iijmio,mineo.OCNなど主要な格安SIMのAPN設定が最初から用意されています。
今回私は手元にあった半年間利用料無料のDTIのSIM使って通信を確認してみようと思ったのですがDTIのAPN設定は用意されていなかったので、下の画像のように手動で設定しました。
また、メインで利用しているワイモバイルのSIMもAPN設定を行って使えるか確認しましたが、データ通信出来ました。
尚、SIMカードのプロファイルやAPN設定を行ったのにデータ通信が出来ない場合は、データ接続がオフになっていないか確認してみてください。
VAIO Phone Bizを使ってみての感想
そもそも個人でWindows10 mobileスマホを購入するのは現段階では物好きな方しかいないと思いますが、VAIO Phone BizはWindows10 mobileスマホの中ではそのハードウェアスペックの高さから動作が遅くなるようなことは感じられませんでした。
しかし、筐体のSIMトレイにおける残念な感じがVAIO Phoneというブランド、安曇野FINISHというブランドを個人的に信頼できないものとなってしまいました。
そしてWindows10 mobileスマホはまだまだiOSやAndroidとは使い勝手が違いすぎるため改めて普及は難しいと感じました。
元々法人向けがメインだと思いますが、法人の中で使うのも個人。
よほど使い勝手の良い企業内アプリが用意できないと企業の中でもWindows10 mobileスマホを使うのは厳しいと思います。