AppleがiPhoneやiPadといったiOSデバイスで動くアプリを配信するApp Storeの審査ガイドラインを改定して、為替取引の一種であるバイナリーオプションのアプリについて今後許可しないことが明記されました。
ガイドラインではアプリを禁止するため、代替手段としてブラウザーなどで利用できるWebアプリケーションに移行するように記載しています。
App Store Review Guidelines - Apple Developer
バイナリーオプションとFXの違い
既に定着したFX(為替証拠金取引)取引の場合は、ある時点の為替レートで通貨を購入し、その後購入した通貨を売却することで利益を狙う取引です。
FXでは、為替レートの値動きが大きくなればなるだけ利益もしくは損失が大きくなるので為替レートの動きに敏感になります。
特にレバレッジを10倍、20倍と効かせている場合には神経を尖らせることになります。
対してバイナリーオプションは、現在の為替レートからある時点においてレートが高くなるのか、はたまた安くなるのかの2択で、どちらかを選択するだけのシンプルなマネーゲームとなっています。
そのため、取引するうえで株取引ほど投資知識が必要とされるわけではないため、投資経験がない初心者でも気軽に始められるのが大きな特徴の1つです。
最近ではあまり目にする機会はなくなりましたが、一時期はマネー雑誌でバイナリーオプションはよく取り上げられていました。
尚、バイナリーオプションは為替レートに関連した取引なので、サービスを提供する会社は基本的にFXの会社が多いです。
iOSから駆逐されるバイナリーオプション関連アプリ
この記事を書いている時点で英語の審査ガイドラインには、バイナリーオプションアプリについてApp Storeで許可されないことが明記されていますが、日本語のApp Store審査ガイドラインでは特にまだ明記されていません。
今後追って、日本語のガイドラインにも反映されるとは思いますが、これによってバイナリーオプション業界は大きなダメージを受けることになります。
モバイルOSのシェアを世界的に見れば、iOSよりもAndroidの方がシェアは多いですが、ここ日本においてはiPhoneの人気が高くiOSのシェアが高い地域となっています。
今後、iOSでバイナリーオプション関連のアプリをインストールしたりアップデートすることが不可能になるため、バイナリーオプションを扱っている会社は今後AndroidアプリやWebアプリケーションに力を注ぐことになるでしょう。
バイナリーオプション関連アプリ
日本のアプリストアで配信されている代表的なバイナリーオプション取引アプリとしては、下記3つがあります。
- YJFXのオプトレ
- FXトレードフィナンシャルのバイトレ
- GMOクリックの外為OP
App Storeにはバイナリーオプションの取引ツール以外にも、バイナリーオプションの取引を促すゲームなどがいくつかあり、それらの多くは個人開発者によるものですが、これらのアプリもガイドラインに引っかかるのかは気になるところです。
バイナリーオプション取引に対する規制とアップルの動き
バイナリーオプション取引については、特に海外の業者を中心に顧客資金の出金拒否や、不正操作などの詐欺被害が増加しています。
そのため、各国の金融規制当局は顧客の被害に対して規制に動き出しています。
しかし、アップルとしてはこれだけでは不十分でユーザからの苦情もあってか、App Storeからバイナリーオプション関連アプリを一掃することで問題の解決を一気に進めようとしていると思われます。
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