NetflixでF1のドキュメンタリー番組の動画が配信されています。
タイトルは「Formula1 栄光のグランプリ」。
Netflix独占のオリジナル作品です。
この作品は、2018年シーズンをNetflixが1年間取材し、それを編集した内容になります。
個人的な意見ですが、F1に興味がある方なら絶対に面白いと感じてもらえると思うので、是非視聴してもらえればと思います。
Netflixは、初めて利用する場合は、1ヶ月間無料でお試しができるので、それを利用して観るのもありです。
NetflixオリジナルF1作品のあらすじ
NetflixオリジナルF1ドキュメント作品は、全10話で構成されています。
- 栄光を目指して(36分)
- スペイン最速の男(39分)
- 救いの道(40分)
- 戦う術(37分)
- チーム崩壊の危機(32分)
- 負ければ終わり(36分)
- 冷静に前を向け(27分)
- 新世代(40分)
- 星条旗はためく下で(31分)
- ゴールの向こう側(32分)
1話あたり約30分で、全部で約5時間におよぶ動画となっています。
これだけボリュームがあるF1の番組を2000円以下の月額費用で視聴できるので、F1ファンなら絶対に見ておいた方が良いです。
これだけ良質なF1番組は、これまで日本には無かったと思っています。
F1をフリー走行から予選に決勝まで生配信しているDAZNでは、シーズン前のテスト模様や、各レースを振り返るLABOを放送しているなどF1コンテンツは充実していますが、流石にNetflixのようなドキュメンタリ番組は作らないと思うので、DAZNを利用している人も、これだけのためにNetflixを一時契約する価値はあります。
本ブログでは、前半5話について、ちょっとした内容を紹介し、Netflixを契約して観るかどうかの参考にしてもらえればと思います。
栄光を目指して
開幕戦のオーストラリアGPをメインに、オーストラリア出身のダニエル・リカルドと、その両親にフォーカスしたお話となっています。
そして、リカルドの話だけでなく、オーストラリアのレースについても触れられていて、中堅チームの中では抜群の速さを見せていたハースが、レース途中のピットストップで2台ともにピットミスでレースをリタイアするという出来事にもフォーカス。
ハースF1チーム代表のシュタイナーが、チームオーナーのジーンハースへ弁明するお話しや、ピットミスを犯したクルーに事情聴取する場面なんかは、撮られていることが分かっている演技要素もあるとはいえ、普段見ることができない貴重な映像となっています。
スペイン最速の男
2018年シーズンをもってF1を引退した元世界チャンピオンのフェルナンド・アロンソ。
F1史上最速と呼ばれることもあるフェルナンド・アロンソはスペイン人で、そのアロンソを幼少期に地元のヒーローとして観てきたカルロス・サインツJrは、今やルノーワークスのF1ドライバーとなっていた。
第二話では、この二人のスペイン人にフォーカスした内容となっています。
市街地レースとなるアゼルバイジャンGPでは、レース1週目に、アロンソは他車との接触で、右側の前輪と後輪を失い殆どコントロール不可能と思われる状態をマシンを、壁に接触しながらなんとかピットまで帰還。
普通のF1ドライバーならば、すぐにリタイアを選択するところを、アロンソは、なんとかピットまでマシンを戻し、その後、なんとレースを7位入賞でチャンピオンシップポイントを獲得を果たすという驚異的なドライビングを披露します。
そしてカルロス・サインツJr。
その名の通り、彼の父親はモータースポーツではレジェンドであるカルロス・サインツ。
世界ラリー選手権(WRC)で世界チャンピオンになり、ダカール・ラリーでも勝利している偉大なるドライバーです。
そんな父親と、マネージャーを務める従兄弟との様子をNetflixの取材陣が追跡し、日常生活の様子を踏まえて映像化しています。
救いの道
ルマン24時間やインディ500と並んで世界3大レースと呼ばれるのが伝統のF1モナコGP。
そのモナコGPを舞台にレッドブルのドライバー二人についてフォーカスしたお話しとなっています。
ダニエル・リカルドについては、レッドブルのジュニアドライバーになってから初めてレッドブル以外の契約を検討していることについても、触れられています。
彼の契約に関するアドバイザーとのやり取りや、舞台裏におけるドライバーの移籍交渉を垣間見ることができます。
名門ウィリアムズの苦悩
この第三話では、名門ウィリアムズの凋落についても多くの時間が割かれています。
ウィリアムズは、チーム創設者のフランク・ウィリアムズの娘であるクレアが現在副代表として率いています。
クレアは、ウィリアムズで働いていた旦那さんとの間に最近子供が生まれていたのですが、プライベートの様子は中々日本では観ることができませんでした。
それがちょっとした時間ですが垣間見ることができます。
しかし、そんなプライベートとは反対に、2016年以降チームは低迷、2018年は特に酷いシーズンでした。
※2019年は、2018年よりも更に酷いシーズンとなりそうですが、、
これはチームが設計開発したマシンの性能が著しく悪いためなのですが、ハースやザウバーにトロロッソといったライバルチームの一部は、メーカのジュニアチーム化したり、共同オーナーの元、Aチームの設計をそのまま流用するなどBチーム化することで戦闘力を上げていると言われ、それによって相対的にウィリアムズチームの成績が低迷していると考える人もいます。
そんな中で、チームの従業員を多く集めたミーティングでクレア副代表は、メーカのジュニアチームやBチームにはならないと明言しています。
これは恐らくチーム創設者であるフランクの意向が多分に含まれているのではないかと想像します。
ちなみに、このミーティング冒頭では、テクニカル部門を率いるパティ・ロウがプレゼンしているのですが、2019年マシンの失敗を受けて、シーズン開幕前に休職に追い込まれています。
2018年シーズンまで、ウィリアムズの活動予算を援助していた大富豪ローレンス・ストロール。
その援助と引き換えに、息子のランス・ストロールがウィリアムズF1のドライバーを努めていましたが、酷いマシンもあって、モナコGPでも苦戦します。
当然、チームの予算を援助しているローレンスの気分は良いわけがなく、クレアとの間に緊張した空気が流れる様子もNetflixのF1ドキュメントでは放送しています。
ちなみに、NetflixではウィリアムズF1チームのチーム代表のサーフランク・ウィリアムズを中心に、チーム創設から現代までのドキュメントが2017年にアップされています。
動画の時間も1時間40分とかなりボリュームがあるので、こちらも合わせて視聴してみるのがお勧めです。
戦う術
第四話は、レッドブルとエンジン供給元であるルノーとの確執についてのお話し。
レッドブルがついに2019年からこれまで12年間使ってきたルノーからホンダにエンジンを変更することを発表。
記者会見に向かう途中、レッドブルのクリスチャン・ホーナーとルノーのシリルが交わす会話など、これまで知り得なかった舞台裏が覗けます。
そして、レッドブルがエンジンをホンダに変更するのが決まってからなのか、ドライバー市場も活性化。
レッドブルのリカルドは、予想外のルノー移籍を決断します。
リカルド移籍に関する記者会見前には、レッドブルのチーム代表であるホーナーがルノーのシリルに対して皮肉を言っている場面が印象的です。
リカルドのルノー移籍によって、ルノーを追い出される形となるのが、元レッドブルジュニア所属のカルロス・サインツJr。
こちらも、リカルド移籍に伴ってチームを追い出されることについて記者会見で質問される内容について、事前にチームスタッフと、言って良いこととダメな事を事前に確認する様子が記録されています。
チーム崩壊の危機
第五話のチーム崩壊の危機では、フォース・インディア(現在のレーシングポイント)とマクラーレンについてフォーカス。
フォース・インディアの危機と破産
旧フォース・インディアは、インドのキングフィッシャービールやキングフィッシャー航空などを経営していたビジェイ・マリヤがオーナーを務めるF1チーム。
キングフィッシャー航空が破産するなどして巨額の負債を抱え込みながらもF1チームの経営をしていたビジェイですが、ついにチームを手放す状態に追い込まれます。
フォース・インディアで働く従業員への給料やボーナスは支払われるのか?
そんな懸念に対して、管財人は当面支払いは行われると説明し、早急に投資家を見つけるべく行動していくことを約束していました。
その後は、ご存知のようにカナダの大富豪でランス・ストロールの父であるローレンス・ストロール率いる投資グループがフォース・インディアを買い取って現在のレーシングポイントF1チームへと変貌しています。
レーシングポイントF1チームには、恐らくF1チームで一番日本人エンジニアが在籍しているチームなので、この出来事が進行していた時には、色々と心配されていたのではないかと察します。
マクラーレンチームの苦悩と現場代表の引責辞任
マクラーレンは、かつてのF1トップチームですが、2012年以来優勝から遠ざかっています。
そして、ホンダと組んで以降は表彰台すら獲得できていない低迷ぶりです。
ちなみに、ホンダとマクラーレンのパートナシップと、現場での苦悩ぶりについては、Amazonプライム・ビデオで視聴できるドキュメンタリもかなり興味深い作品です。
Amazon.co.jp: グランプリ・ドライバー - シーズン1 (字幕版)を観る | Prime Video
2018年からはホンダとのパートナーシップを解消し、ルノーのエンジンを購入して使っているわけですが、成績は殆ど変わっていない状況です。
ホンダと組んでいた時は、低パフォーマンスの原因をホンダに負わせていたマクラーレンですが、ルノーと組んでも以前のようなパフォーマンスを発揮できないことから、現場の責任者であるエリック・ブーリエや、チーム代表のザクへの批判は強まります。
記者会見の場でも、ジャーナリストからきつい質問が投げかけられ、エリック・ブーリエが動揺して目が泳いでいる状態なのが動画でハッキリわかります。
そんなこんなで結局、エリック・ブーリエは引責辞任をします。
NetflixのF1ドキュメントでは、マクラーレンのファクトリーでブーリエのの上司であるザクが、エリックの辞任をアロンソに伝える様子を観ることができます。
実際のところどうかは分かりませんが、こうやってNetflixに魅力的な映像を提供するあたり、流石アメリカのビジネスマンという感じです。
ただ、F1ファンの間では、マクラーレン低迷について諸悪の根源はザクにあると思っている人も少なからずいます。
また強いマクラーレンが戻ってくることはあるのでしょうか。
ウィリアムズと同じ道を歩んでしまうのでしょうか。
字幕の日本語訳は変なので吹き替えで視聴するのがお勧め
Netflixでは一部作品で日本語の吹き替えが利用できます。
そして、Formula1 栄光のドライバーも日本語吹き替えで視聴することができます。
今回のNetflixオリジナルF1番組を何回か繰り返して見ているのですが、正直字幕の日本語訳は酷いと感じで、F1ファンなら、その訳はないんじゃないの?という感じなんでよね。
ただ、日本語の吹き替えだとそれほど違和感がありませんでした。
そのため、表示される字幕は、ある程度機械的に翻訳したのを使っているのではないか?と疑っています。
字幕に表示される日本語は、流石に、プロの翻訳家に依頼した日本語としては明らかにおかしいレベルですから。
逆に、日本語の吹き替えは映画のようにちゃんとした内容で、意訳も違和感が少なかったです。
そういう訳で、NetflixオリジナルのF1番組を視聴する際は、日本語吹き替え設定で視聴するのがお勧めです!