新築の建売戸建て住宅のホームインスペクションを実施しました。
ネットで調べてみると、必要ないなどの意見も散見されますが、新築建売住宅を購入した私のケースで言うとホームインスペクションをやってみてこれは必要だと感じた次第です。
ホームインスペクションを実施したタイミング
ホームインスペクションを実施したタイミングは、内覧会のタイミングとなります。
なぜ内覧会でホームインスペクションを実施したかというと、単純に物件契約前の時点でホームインスペクションの存在を知らなかったからです。
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私がホームインスペクションの存在を知ったきっかけは、こちらのマイホーム大全になります。
ただ、仮にホームインスペクションの存在を最初から知っていたとしても、契約前にホームインスペクションは行わなかったと思います。
その理由ですが、半年以上物件を見てきた中で、気に入った物件の購入申し込みで2番手になる事が多く、購入に至らなかったからです。
そのため、気に入った物件があった場合は、まず購入契約するすることを優先しました。
人気が無い物件ならば、じっくり契約前にホームインスペクションを実施するのも良いとは思いますが、私のケースでは、契約前に不動産会社とホームインスペクションで時間を取られるのは避けたかったのです。
ホームインスペクションを自分で行わなかった理由
自分でホームインスペクションを行う事も出来ますが、専門の業者にお願いしたのは、建築の素人が見ても所詮表面的な所しか分からないと思ったからです。
本業で製造業のものづくりエンジニアをしていて、日々いろんな測定や検査も自分で行っていますが、やはりその分野に精通している事の重要性を肌で感じています。
ホームインスペクションでは、建物内の傾きなど水準をチェックしますが、個人で買うような水準器を使って確認するのは、非現実的です。
広い部屋内をいちいち水準器を置いて確認するのは大変ですし、このやり方だと床全体の傾きを確認するのは困難だからです
ちゃんとしたレーザー測長機を使って傾いてないか確認する必要があります。
実際に内覧会で売り主と不動産仲介業者の方々と一緒に建売住宅の中と外を見て回りましたが、指摘出来たのは、クロスの傷であったり、一部ドアの建付けが悪かったりといった表面的なところだけでした。
その後、ホームインスペクションの人にチェックしてもらって指摘した所は、自分では気づかなかった点も多くありました。
ホームインスペクションの方による指摘点を見て、これはやって良かったなと思いましたし、新築の建売住宅に関しては絶対にホームインスペクションを入れた方が良いと思いました。
ホームインスペクションを実施する建築士の方によって、良い悪いはあるかと思います。
建売新築住宅をホームインスペクションするのに要した時間と指摘結果
ホームインスペクションに要した時間
ホームインスペクションに要した時間は約3時間30分です。
午後2時半から開始して、終わったのが6時を少し過ぎていました。
今回は基本的な住宅診察以外にオプションとして床下と屋根裏の調査も依頼したので、3時間30分かかりました。
外観や室内の調査であれば、1時間半から2時間でホームインスペクションは終わります。
因みに、ホームインスペクションを依頼した業者は「アネスト」になります。
アネストに依頼した理由や、実際にホームインスペクションを行った建築士については、また別の記事にて解説します。
内覧会でホームインスペクションしている時の過ごし方
ホームインスペクションは時間がかかるので、売り主や不動産会社の方は先に帰った
ホームインスペクションは上記で紹介したように時間がかかります。
内覧会では売り主や仲介不動産会社と一緒に設備の確認や修繕項目について確認をしますが、これは約1時間ほどで終了しました。
この段階で私が依頼したホームインスペクションは、外構のチェックが終わった段階で、これから室内と床下及び屋根裏の調査を行う事になっていました。
そのため、まずは外構部について売り主とホームインスペクションの業者を交えて、指摘箇所の確認を行いました。
この段階でも、私や売り主側でも気づかなかった問題点が出てきまして、ここで指摘した点については、その場で引き渡し日までに修繕することを約束頂きました。
ただ、この後更に2時間から3時間ホームインスペクションに時間がかかる事を売り主に伝えると驚かれました。
そのため、内覧会は一旦終了とし、通常は内覧会の場で署名する修繕項目リストについても、後日サインする事にしてもらいました。
ここで、売り主と仲介不動産会社の方は帰られて、私とホームインスペクションの方が残る事になりました。
家の鍵については、売り主や不動産会社の方と相談し、私が施錠やブレーカーを落とした後に売り主指定の施錠できる鍵箱に戻す事としました。
ホームインスペクション中は家にいる必要は無い
売り主と不動産会社の営業が帰った後に、ホームインスペクションの方と二人きりになった訳ですが、この後は必ずしもずっと家にいる必要はありません。
ホームインスペクションを実施して頂いた建築士の方に聞いたところ、外食しにいったりして1,2時間不在とする方もいるようです。
私の場合は、近くのコンビニへ買い物やトイレを借りにいったりしました。
ただ、それ以外はずっと家にいて、家具を設置するための採寸などを行っていました。
正直時間を持て余しましたが、ホームインスペクションをやっている方へ少しプレッシャーをかける意味もあったのと、随時診断結果をリアルタイムで確認するために家に滞在していました。
最後、ホームインスペクションの報告を受ける際には、建築士の方から、こんなにずっと家にいる方は珍しいと言われるほどでしたね(笑)
ホームインスペクションで指摘された内容
ホームインスペクションで修繕が必要と指摘された箇所は大小いくつかありましたが、その中で代表的な箇所を参考までに以下にご紹介します。
1つが、基礎コンクリート部から出る配管部です。配管が通る箇所の穴に大きな隙間がある状態になっていました。
大雨の時などに、この隙間から基礎コンクリート内部に水が浸水してしまうリスクがあります。
もう一つは、床下コンクリート部のひび割れ(クラック)です。
小さいひび割れ等は発生してしまうと思いますが、ひび割れの大きさが少し大きいため修繕が必要と診断されました。
売り主兼施工主へホームインスペクションの結果を報告して修繕
ホームインスペクション実施から2日後に48ページに及ぶ詳細な報告書がPDFで送られてきたので、内容を確認し、売り主へ指摘箇所の報告しました。
一部指摘箇所は、内覧会当日のホームインスペクション実施時に売り主ち一緒に現場で確認済みです
今回ホームインスペクションで指摘された内容は、比較的軽微な問題だったので、ホームインスペクションで問題ありと指摘された点は全て引き渡し日までに対応すると回答をいただけました。
売り主は、当然ですが売買契約にて書かれた瑕疵以上の修繕にについては責任がありませんので、購入の契約を締結する際に、家のホームインスペクション実施や修繕について売り主と話を付けておくのが良いです。
仲介不動産会社に新築でホームインスペクションを実施しているケースについて聞いた話
ホームインスペクション実施当日に、仲介不動産会社の方に建売新築戸建て住宅でホームインスペクションされる方って居ますかと質問しました。
それに対する不動産会社の営業担当からの回答は、新築でホームインスペクションを行う方はあまりいないという回答でした。
中古住宅なら不動産会社側でもホームインスペクションを実施しますが、新築住宅ではまだまだ少ないのが実態のようです。
正直注文住宅のケースだと必要なのか私には分かりませんが、建売の新築戸建て住宅に関しては、ホームインスペクションは必要だと私は感じました。
建築に精通している方なら良いですが、建築素人の方だと自分でホームインスペクションもどきをして見つけられるのは、かなり限られます。
そして、何か異常だと感じた時に他の住宅との比較ができないので、修繕が必須なのかどうかの判断が出来ません。
素人意見など売り主にとっては、悪い言い方ですが、なんとでも言い訳して回避することが可能です。
以上の事からホームインスペクションを実際に体験した身としては、建売の新築戸建てに関してはホームインスペクションは必要だと考えます。
ただ、実際に診断して頂く建築士や業者によって、意味がある無いの評価は分かれるかと思います。
今回私が購入予定の住宅を担当してくださった建築士の方は、私としては良かったなと感じています。